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「田中一光ポスター1980-2002」ギャラリートークを聞いて。


先日、銀座のグラフィックデザインのギャラリー「ggg」にて開催中の(2/25まで)
「田中一光ポスター 1980-2002」展のギャラリートークに行ってきました。

今回のギャラリートークは、小池一子さんと原 研哉さん。
田中一光さんと共に無印良品を立ち上げた小池さんと、現在そのコンセプトを引き継いで深く関わられている原さんの
とても興味深いお話しを聞く機会。予定1時間半。

...こんな時は決まって直前に、1時間半もじっとしていられるだろうか...と自分の事を全く信用できずに伺う事になる。
話が面白いことは決まっているのに。そして、始まってみると全くの杞憂なんですけど。

今回のお話し、覚え書き程度に書き出すと...

眠れないぐらいおもしろかったんだよ人間の繋がりが先その後に仕事がきた
抑制は効いてるけど派手な世界(色について)日本と共にアメリカを感じるボドニー
ボールドな強い色派手な中に生きてると渋さにいってしまう
万博に参加するか悩む東北の四季日本の紋様サイケデリックアノニマス
デリケートな中間色にパンチのある色日本の伝統色のすごいところは言葉に置き換えたこと。灰桜とか。日本の色彩。
まず印刷物を作りたい。それで構成の内容が決まっていく編集と似てる
三回赤を刷る目指す色、具体的な色
庶民の色色を再現できないフラストレーション
エミール・ルダー社会全体で文字をつかう
からみとあまみ、デザインはやり過ぎると甘くなる中明朝体テキスタイルと紙
モリハナエビル光朝書体世界クラフト会議80年代
墨技紋纏別冊太陽琳派百図
メニーウェルフェス症候群あみなにもない、そぐ行為
プライベートブランドの在り方恐れないで日本のものをのんじゃう本歌どり
コンチネンタル・スタイルからの脱出傷ついた地球を治すデザイン

...というような。一部、回ってきた本に夢中になってた数分もありますが。

田中一光さんのデザインというのは、誰でも知らずに目にしているほど、街にたくさんある。

そして、色や形に関する事というのは、今のグラフィック・デザイナーも多大な影響を受けていると思う。
原 研哉さんは、色相環の話をされていたけれど、一光さんの色に関する感覚は環境からくる感覚的なものであって、
後で解明したら科学的な色相環にも驚くほどピッタリと当てはまる...という類いのものだと思う。

その原 研哉さんが、トーク中に会場へ回したのが
河出書房から出されていた「アートテクニックナウ/田中一光の文字とデザイン」という本だった。

その本に載っているのは、ツールとしてのMacが出てくる前のデザイナーのはなし。

90年代初めぐらいまでのグラフィックデザイナーとは、自分で印刷の原稿をなんと手作業で作っていた。
上の写真みたいに、写植で指定した文字とサイズの紙焼きが上がってきて、
ペーパーセメントでケント紙とかの上に貼って原稿を仕上げていく。
その際、スペーシングをしながら、感覚でもって空間を感じながら。
...ここまでで知らない単語がいっぱいでしょうけど(笑)

そのデザインに線が必要な場合は、なんと、自分で0.1ミリの線を引いていたりしたのだ。
だから、当時のグラフィックデザイナーは、不器用な人はなれなかった。
不器用な人もいたけれど、雑な人はなれなかった。

だから、感覚が秀でている事は今よりも光って見えた気がする。
けれど、誰がやっても同じ作業に見える切ったり貼ったりの作業は、実は誰がやっても同じにならない。
そして、その道具がMacに変わっても同じ事だという驚き。

色については、例えば「こんな色がいい」と印刷物を見た時、
カラーチップの束の中から即座に近い色を選べなければ、色に関する感覚を磨く必要がある。

そういう事の一つ一つの集まりが向き不向き。ほんとは道具なんて関係ないのだ。

...そんな感覚的な話から、コンセプトの話まで、色々な事を思わせていただいたギャラリートークでした。

傍らのコンセプトから社会全体への思いや未来の事。
相当に思いを馳せてデザインできる、
グラフィック・デザイナーって、本当におもしろい。

冒頭に、小池一子さんが言っていた「眠れないぐらいおもしろかったんだよ」という言葉のように。



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田中一光さんの本

・デザインの前後左右
・日本の色彩
・田中一光の文字とデザイン アート・テクニック・ナウ〈19〉

...上記、割と手に入りやすい本だと思います。なーんでも売ってるAMAZ◉Nなどで顔


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田中一光さんの展覧会

「田中一光とデザインの前後左右」展

21_21 DESIGN SIGHT
東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内


→Official site

2012年の9月より、六本木ミッドタウン内にある「21_21 DESIGN SIGHT」にて行われるこの企画展は、
2002年に東京都現代美術館で開催された回顧展にならぶ展示になるのだろうと思います。
この場所で、この方達が...と思うと、行かずにはいられない展示です。


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