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私とスカーフ、2013。


2月 立春も過ぎ、そろそろ春が近いかもしれない日々。

次の秋冬モノの事がだんだんと現実的になってきて。そろそろ新作を考えはじめました。
先週中頃から、ようやく柄のデザインに辿り着きました。

いつもデザインしていて思うのですが、自分の趣味が濃い事に驚きます。
特にスカーフは「これも」「あれも」「この小さい部分も」と、
細部までイメージが巡るように配慮をした上でグッとくるアイテムだと思っているので、
単にプリントのグラフィックを考えるというよりも、曼荼羅を描いているような感じです。

そして来季で4シーズン目を迎えるスカーフ。
なんでスカーフを始めたのか、少し書きたいと思います。

 * * *

初めてスカーフを意識したのはまだ学生の頃。
とある子供アトリエ主催のパリ旅行に何となく行く事になってしまった時の事。

「その子供アトリエに何かしら関係のある」という以外は全くつながりのない人たちがツーリストの旅行。
学生の自分にとっては、大人すぎるほどのオバサマ方ばかりがいる中で、
一人だけ、「あ、この人話し通じそう」と思う女の人がいた。ヨーコさん。当時の彼女は36歳ぐらいだったと思う。

そういうカンは的中するもので、彼女の方も「この女の子となら仲良くできそう」と思ったらしく、
パリについて初めてのランチですぐ意気投合した。

海外に来ると、ブランド店で買い物というコースは、子供アトリエ主催の旅でも変わらずあって、
パリ在住の画家さんを案内兼・通訳に、なるべくパリにしかないようなセレクトショップのような店を、
8人ぐらいで、何だかダラダラ回っていた。

そのダラダラが耐えられなくなったのであろう、ヨーコさんが突如として、
「なんかつまんないね。」と言って店の外に出た。同意見の私と画家さんも外に出た。

そして「私、エルメスに行きたいんだよね。」とヨーコさんは歩き出してしまった。
待ってー、私も行くー。と、ダラダラ班の事を綺麗さっぱり忘れて、私も歩き出した。そして画家さんも。

まだ、携帯がカバンみたいにでっかい時代の話しだから、一度はぐれたら会うのは難しい。
なのに、本当に、なんの悪気もなく、天真爛漫にダラダラ班とはぐれてしまった。

シャンゼリゼ通りから歩く事数分、無事にエルメス本店に到着。

すかさず、スカーフのコーナーに進んで行くヨーコさん。
英語の通じる店員さんを見つけて、スカーフをたくさん見せて。と頼む。

きっとその躊躇のない雰囲気が通じたのだろう、
店員はマホガニーの広い机の上にスカーフを何枚も、何柄も出してくれた。

その、スカーフを見たとき。

うっとりと引き込まれるようなシルクの輝きに、見とれて、
ふわりと新しい柄が載せられては、またうっとりする、の繰り返し。

そこで「this one」を繰り返し言って、ヨーコさんは15枚のスカーフを買った。
かさばるから、と、箱に入れずにタトウに入れてもらって、
ゴールドカードで、ホントの大人買い。

ふわり、と、うっとり。
この時の光景は、ハイスピードカメラで撮った映像をスローで再生するようにはっきり覚えている。
コンサバの中で際立つ恍惚。スカーフってそういうアイテムなんだ、と。

その後、他の店でも買い物をして、面白かったね はぐれて正解だわ と、
地元の人しかいかないようなビストロで食事してホテルに戻ったら、
ダラダラ班が怒り心頭で待っていた。でも、ホントにはぐれて正解だった。

残りの2日間は、がぜん仲良くなった3人で何かと過ごし、
日本に戻ってきても、ヨーコさんとは東京で会ったり、仙台のご自宅に遊びに行ったりしたけれど、
お互いの引っ越しのタイミングで、連絡先がわからなくなってしまった。

 * * *

あれから、ずいぶん経って、スカーフの事なんかすっかり忘れていたとき。

偶然にもスカーフを作っているプリント会社の方と出会って、
すごい勢いでエルメスとコンサバ恍惚がフラッシュバックして、

タイトなスケジュールだけど、どうしても1ヵ月後の展示会のために作りたいんです!!!...と、
そのプリント会社の方も引くほどの勢いで話しを決めてしまった。

ほんとうに、そんなに詰め寄る事なんて滅多にないのに。なんのタイミングだろ。

そしてヨーコさんを思い出して、「そうだ、これ話さなきゃ」と思い、
地元の有名人だから何とか連絡とれるでしょ、と知っていそうな人に調べてもらっていた。

そう思って3シーズン目を終えたとき、ヨーコさんはもう「いない」、と人づてに聞いた。

なにそんなのいつ???と、教えてくれた知り合いに聞いたら、
ちょうど、スカーフをどうしても作るんだ、とプリント会社さんに詰め寄った9月の頃だった。

こういうタイミングで始まった訳ね。と。
ぞっとしたりは無いけど、もっと他の方法なかったのとヨーコさんに言いたい気持ちにはなった。

...とね。思いの外、ものすごく長い話しになってしまったけど、こんな事で始まったMIFUNEのスカーフ。
来季は、秋らしく、今までとは少し違う感じでリリースできると思います。4649


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